「みんなでつくる中国山地」003号

中国山地編集舎が1年に1回発行している年刊誌『みんなでつくる中国山地』003号が発売となりました。今回のテーマは「生業(なりわい)」、サブタイトルは「ここで、食っていけるの?」。今回は記事を書くだけでなく、編集にも深く携わらせていただき、思いのいっぱい詰まった号となりました。

移住した当初は、悪気なく「それで食っていけるの?」と心配の声を掛けられることも多く、モヤモヤすることも。自分が一番それを思うし、不安がないわけではないけど、自分の手で選んだ暮らし。

「いや、そもそも『食っていけるの?』って言うけど、食べきれないくらい食べ物をもらっているし、これってリアルに食っていけてるって言っていいんじゃないか?」「いつから食っていく=稼ぐことだけになってしまったんだろう?」という問いが自分自身の中にもありました。

それに真正面からぶつかってみたら、いろいろな発見がありました。中国山地で素敵に生きている人たち504人に聞いたアンケートから、ローカルで素敵に生きていくのに欠かせないと思われる要素を整理してみたり、その結果を自分なりに整理してみたり、対談してみたりしていますので、ぜひ手にとっていただけるとうれしいです。表紙と裏表紙の絶妙なコンビネーションも見ていただきたいです。

  • 中国山地の504人に聞きました
  • シン・食っていく論
  • 座談会 これからのローカルキャリア
  • 終談 おかげさまで、元気にやってます。

504人のアンケートには、たくさんの方にご協力いただきました。本当にありがとうございました。

小規模・分散・ローカルな暮らしをそれぞれの地元から作り直そう

中国山地は、「過疎」という言葉が発祥した地域。裏を返せば、それまでこの山地にたくさんの人が暮らしていたということになります。人口減少という課題の最先端をいく中国山地では、さまざまな人たちの苦労と工夫の積み重ねによって、人口減少が下げ止まっている地域も出てきていて、新たな時代の兆しが少しずつ見え始めています。それぞれの地域で「小規模・分散・ローカル」な暮らしをつくっていこうする人たち同士が、地域を超えてつながることで、お互いに情報を交換したり、協力しあったりして、さらに新たな地平が見えてくるのではないか、というのが「みんなでつくる中国山地」の根底にある思いです。

この年刊誌を作っているのが「みんなでつくる中国山地 百年会議」の会員たち。プロの書き手だけでなく、会員それぞれが自分の地域のホットトピックを持ち寄っています。住んでいる人たちの視点で、中国山地の今を記録し、発信することを大事にしています。本を作る以外にも、「市」と呼ばれる月に2回のオンライン交流会をしたり、「座」というテーマ別の勉強会をしたりもしています。