内海手帖
内海町の魅力を100個集めたガイドブックです。福山市市制100周年記念事業のひとつとして、採択されたプロジェクトです。「島の暮らしを、旅しよう。」をコンセプトとし、内海に訪れた人が内海らしい暮らしを感じられるようにつくりました。この本を片手に町を歩き、地元の方とのふれあいを楽しんでいただけたら嬉しいです。
内海に暮らし始めたばかりのわたしたちにとっても、内海の歴史や暮らしについて知る、素敵な機会となりました。
Crient: 内海町魅力づくり委員会
Photo/Design/Writing: 港の編集室
Cooperation: 内海町観光協会
港の編集室、最初のプロジェクト
この『内海手帖』の制作は、私たちにとって初めて、かつランドマーク的な活動となりました。
きっかけは、地域のイベントで内海町の風景写真を展示したこと。その写真を見た、内海町魅力づくり委員会の方から「今度、内海町の魅力を100個まとめたパンフレットを作るから、写真を提供してもらえないか」と声をかけていただきました。
内海町を伝える紙媒体の制作は、私たちもやってみたいと思っていたことのひとつだったので、「もし可能ならその企画からさせていただけませんか」と相談したところ、ご快諾くださったことから制作がスタートしたのでした。
”内海町の魅力を100個”というのは、福山市制施行100周年に合わせて魅力づくり委員会のみなさんが企画されたもの。当初は、100枚の写真を一覧にした折パンフレットを考えていたそうです。ただ、小さな町なので魅力を100個も集められるかどうか、そして集めた魅力をどう見せるか、ということが課題になっていました。
制作を通して、自分たちのまちがますます愛おしくなった
完成した『内海手帖』は、100個の魅力を36ページにまとめた冊子になりました。内海町を訪れる人にガイドブックのように使ってほしいという思いを込めて、『手帖』と名付けました。
”100個の魅力”は、従来の観光情報や店舗情報を網羅するよう努めつつ、島の人たちが思い入れのある場所や風景、長く続いている地域活動も含めました。掲載するにあたり、周囲の方に昔の様子を伺ったり、そういう会話の中で古い写真を見せていただいたり、私たちも知らなかったことをたくさん知ることができました。
これまでここに暮らしてきた人たちの生活が積み重なって、今のこの島の暮らしがある。目の前の風景に様々なエピソードを重ね合わせて見るようになり、内海町がますます愛おしい場所になったような気がします。
まちに暮らす人たちに向けた情報発信もとても大切
完成した『内海手帖』は、関係各所に設置したほか、町内のみなさんにもこういうものができたことを知っていただきたいと、公民館や郵便局、商店など地元の人が多く利用する場所にも設置していただきました。
「大阪である同窓会で配りたい」「出身の人に荷物を送るときに入れてあげたい」「年を取ってこちらに帰ってこれない知人に送ってあげたら涙を流して喜んでくれた」など、様々な反響をいただきました。「いつも見慣れた風景だけど、こうして写真になるといいものね」という声も。出身の方や、地元の方に思いのほか喜んでいただけたのはとてもうれしいです。
まちづくりや観光など地域活性化の手法のひとつとして「情報発信」がますます重要視されていますが、地域の外に向けた発信と同じくらい、地域の中に向けた発信(や情報共有)も大切だということを実感しています。